毎月勤労統計の不正調査発覚を機に、国会で、実質賃金を巡る議論が続いている。
野党は、「実質賃金の伸びはマイナスだから、アベノミクスは失敗した」としている。
それに対して、安倍晋三首相は、「総雇用者所得が増えているから、アベノミクスは効果を上げている」と主張している。
総雇用者所得が2018年に急に増えたのは事実だ。しかし、それは女性の非正規就業者数が増えたからだ。それによって平均賃金が押し下げられた。
だから、総雇用者所得の増加は、望ましい結果をもたらさなかったことになる。
なおこれは、配偶者特別控除が拡大されたことの影響と考えられる。したがって、1回限りの効果だ。