後に、ある人が呉京に問うた。

「この映画の製作が途中で挫折したらどうするの?」

 それに対し呉京は、「たとえ製作がストップしても、行動を起こさないよりは立派だったと言えるだろう。しかも、私たちはその時点ですでに成功したと言っていいのだ。なぜなら7000人もこの映画撮影に関わっているんだ。将来、そのスタッフたちは中国SF映画の“シード選手”となるのだから」

 近年、呉京が関わった映画は全て大ヒットしたため、「運が良かったのだ」という声もあったが、並々ならぬ覚悟と行動力があったからだと評価したい。

まだ幼稚さはあるものの
「中国のSF元年」と評価の声

 こうして完成し、上映されている映画は、素晴らしい評価を受けている。例えばニューヨーク・タイムズも「中国映画産業、ついに宇宙競争に参入」と好意的に報じた。

 とはいえ、シナリオや演技など全てにおいてまだ幼稚さが隠せない。ただ、重要なのは、SF映画分野においては、中国は大きな一歩を踏み出したことだ。

「中国で、ついに本当の意味でのSF映画ができた」
「中国のSF元年ここに始まる」

 こうした視聴者の声は、まさにこの映画の成功の真髄を語っているといえる。

(文中・敬称略)

(作家・ジャーナリスト 莫 邦富)