北極貨物機Photo:iStock/gettyimages

【ヌーク(グリーンランド)】米国防総省は昨年、北極圏に位置するグリーンランドの空港建設計画に警鐘を鳴らした。中国が計画への融資に関心を示しているというのだ。中国がカナダ沖に軍事拠点を持つことになるかもしれない。

 2017年、グリーンランドの首相は中国を訪問し、3つの民間空港を建設するための融資を複数の国営銀行に要請した。会合に出席した関係者によると、銀行側は中国企業が建設する条件で融資に関心を示したという。

 昨年初めにこの話を聞いた当時のジム・マティス米国防長官はデンマークを訪問。グリーンランドはデンマークの自治領だが、デンマーク政府は空港建設への融資に消極的だった。

 関係者によると、マティス氏は5月、ワシントンでデンマークのクラウス・フレデリクセン国防相と会談し、中国にこの地域の軍事化を許してはならないと伝えた。

 中国が世界各地で次々と建設に乗り出しても、米国と欧州はこれまで傍観していることが多かった。中国の銀行は世界との新たなつながりを求め、道路や鉄道、パイプライン、発電所など何百というプロジェクトに融資を行い、そのほとんどは中国企業が建設を引き受けている。

 欧米政府はリスクある海外インフラに融資することに消極的だった。しかしインフラ建設で中国から融資を受けた国が財政難に陥り、地政学的な影響が表面化すると、その態度に変化が起き始めた。

 スリランカがその一つだ。同国は中国から融資を受けたものの利子が支払えず、インド洋の主要海上交通路に近い港を99年間、中国企業に貸与した。