企業の不祥事というものは、従業員の不適切な行為からなされるものです。不正会計や贈賄、安全性検査の回避など、新聞を賑わす企業の不適切な行為は日々報道されています。それは本質的には、企業の不祥事と呼ぶべきことです。

 これを「バカな従業員が不正会計を行ったせいで、企業が損害を被った。だから、その従業員を告訴します」と言い出したら、企業の責任とはいったい何なんだという話になってしまいます。

 ですから、今回、不適切投稿をした従業員を企業が訴えるというのは、本質的にはおかしいことではあるのです。不適切な従業員教育をしたのが悪かったのであって、損害が起きた原因は企業にあると考えるのが、従来的な考え方としては正しいはずだからです。

警察官1人が不祥事を起こすと
すべて「けしからん」となる理屈

 しかし、「そうも言ってはいられない状況になってきた」というのが、今回法的措置を行った企業の本音でしょう。彼らは、従業員教育として必要な措置はきちんととっているはずです。セブン-イレブンの場合、全国2万店舗で数十万人の従業員がいます。その1人が不適切な行動をとっただけで「企業の教育がアウトだ」というのでは「防ぎようがない」というのが実態です。

 これは実は、警察官の不祥事とよく似ています。警察官の中には一定人数、犯罪に走る人間がいて、これが発覚しては新聞沙汰になるということが毎年のように起きます。それをもって国民は「けしからん」というのですが、問題は警察官の人数が約26万人(定員ベース)もいるということです。

 約26万人というのは、家族の人数も含めれば政令指定都市の規模の人間組織です。それだけの人間がいれば、確率的には必ず犯罪者が発生します。大きな社会には確率的に一定数の犯罪者が生まれるからこそ、警察が必要なわけです。