お金はコレクションの手段であって、目的ではない

本田:私が書いた『大富豪からの手紙』の中で、祖父が残した5番目の手紙が「お金」です。祖父は孫のケイに、「『お金と、どう付き合うか』は、選択できる」というメッセージを残しています。
お金は人生で、いちばん大切なものではないけれど、大切にしないと、人生を楽しく生きることはできません。それを踏まえた上で、『お金と、どう付き合うか』を考えることが大事だと思います。北原さんは、「お金」と、どのように向き合っているのですか?

北原:僕が37歳で「株式会社トーイズ」を設立したときは、銀行にまったく相手にされず、保険会社から1500万円借りてスタートしたんです。人脈も、ノウハウも、お金もない「三ない状態」での出発でした。開業時に借りたお金はすぐに底をついて、お金ではずいぶん苦労しました。

僕たちのようなコレクターは、「物欲」がとても強い生き物で、「欲しいモノ」は手に入れたくて我慢できなくなる。入手するにも、保存するにもお金がかかるから、一所懸命に知恵を絞って、汗をかいて、お金を稼がなければいけない。僕にとってお金は、コレクションのための手段であり、結局は「人に喜んでもらうための手段」なんです。

「好きなモノたちに囲まれた生活」をしているので、お金のあるなしに関わらず、僕の心は豊かですね。僕を「お金持ちだ」と言う人がいますけど、70歳にもなって、これほど働いている人間もめずらしい気がします(笑)。一所懸命働いて、好きなものを買う。「お金は、人のために使うもの」だと思いますね。

第3回に続く

「お金」に好かれる人、嫌われる人の習慣とは?