マイナス金利のカラクリ
財政赤字を付け替え

 そのひとつは、アベノミクスを推進してきた日本銀行の「バブル経営」とその破綻である。

 日銀は大量に国債・株・不動産信託を購入して、カネ余り状態をもたらし、“バブル”を作り出そうとしている。

 だがこの実態は、日銀による国債引き受けであり、財政赤字の“粉飾”である。

 そのカラクリは、マイナス金利政策に隠されている。

 日銀は、銀行に貸し出し増を促すとして、2016年2月以降、銀行などが日銀に口座を持っている日銀当座預金を、<基礎残高><マクロ加算残高><政策金利残高>に分け、<政策金利残高>から手数料をとるマイナス金利政策を導入した。
 
 だが、実際には、日銀は3者の基準比率を操作し、経営の苦しい銀行や、メガバンクなど大手銀行にはマイナス金利はほとんど適用していない。

 したがって大手銀行は、融資を無理に増やすよりは、0.1%の付利がつく当座預金を着実に積み上げている。

 では、マイナス金利政策はどこに適用されているのか。

 10年債以下の中短期の国債において適用されている。日銀は中短期債を額面より高い価格で買い取っているのである。

 これらの国債は満期になると、購入価格より低い価格で償還されるので、日銀にとっては「赤字」になる。

 たとえば、2019年1月20日の日銀営業毎旬報告では、日銀が保有する国債は465兆7558億円で、そのうち国庫短期証券を除いた国債保有高は457兆8448億円になる。これは買った時の価額で、いわゆる簿価である。

 これに対して、同年1月18日における日銀の銘柄別保有残高は約445兆円9137億円である。つまり、簿価の方が額面価額より、およそ12兆円多くなっている。一体、これは何を意味するか。

 日銀が10年債以下の国債をマイナス金利(つまり額面より高い価額)で購入しているために、これらの国債が償還になると、約12兆円の赤字が出ることになる。