みずほFGにおいて本業のもうけを示す業務純益は、前年同期比389億円増の3868億円と一見好調に見える。だが、経常利益は同969億円減の5475億円、純利益は同657億円減の4099億円と振るわない。

 経常利益と純利益は共に、上期決算までは前年同期を400億円前後上回っていた。つまり、第3四半期に1000億円超ものマイナスに沈んだわけだ。その最たる要因は、2018年後半に金融市場を襲った混乱にほかならない。

 昨年は米中貿易摩擦への懸念から相場に警戒感が漂い、どの銀行も市場部門の業績を上げにくい状況だった。とりわけ、昨年10月と12月には米国の金利上昇による米国の株式市場急落に伴い、日経平均株価も大幅に下落。これらが、みずほ銀行、みずほ信託銀行の市場部門を直撃し、前年同期比829億円もの減益となった。

 また、前年度は、大口顧客の業績回復に伴う多額の与信関係費用戻入益があったが、今年度は大幅減。両者が相まって、第3四半期に各利益が減益に転じたのだ。

 結果、三菱UFJFGの第3四半期純利益が2215億円、三井住友FGの同1653億円に対し、みずほFGは同506億円と1000億円以上の大差がついた。

次期中計に向けた正念場

 最後の四半期に巻き返したいみずほFG。期待は、第3四半期までの累計で前年同期比741億円増と好調な法人・個人向けの顧客部門に掛かる。だが、第3四半期の積み上げを見ると、前年並みの数値に落ち着きつつある。頼みの綱は、「海外で増加傾向にあるM&A案件を含む、法人向け部門」(みずほ関係者)の進捗に懸かっているといえよう。

 みずほFGといえば、18年4月に坂井辰史社長が就任したばかり。次期中計には「新社長の思惑が分かるはず」と銀行関係者が関心を寄せるが、今期が計画未達ならば「未達という悪材料を前提に、次期中計の良しあしを判断せざるを得ない」(冒頭のアナリスト)。新体制下のみずほFGが、新しい“道しるべ”を華々しく打ち出せるか否か、まさに正念場だ。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 田上貴大)