LINEとみずほフィナンシャルグループは、共同で新銀行を設立すると宣言した。あくまで黒子としてLINEを支えるというみずほの真の狙いは何か。みずほ銀行の藤原弘治頭取に聞いた。
(聞き手/「週刊ダイヤモンド」編集部 田上貴大)
――11月27日に、LINEと提携して新しい銀行を設立すると発表しました。具体的なビジネスモデルはまだ発表されていませんが、現時点で藤原頭取が考える事業の狙いは何でしょう。
明確なものを持っています。今回の提携案件は、私もリーダーシップを発揮してきましたが、大事なことが2つあります。
1つ目はデータ戦略です。今、経済産業省が主導する「キャッシュレス推進協議会」の副会長を務めていますが、その協議会でも国家レベル、産業レベル、企業レベルでデータ戦略を考えないといけません。
その中でみずほは、LINEと組むことで月間7800万人というLINE利用者のライフスタイルを分析し、どんな金融サービスを提供できるか、企業レベルのデータ戦略を考えていきます。
さらに、このデータを顧客満足度の向上、それに社会の課題解決にもつなげていきます。今後は少子高齢化や地方創生、医療介護の問題などさまざまな領域でデータ活用の話題が出てくるでしょう。
LINEなどのIT企業はよくプラットフォーマーと呼ばれますが、(こうした企業と提携することで)みずほもデータビジネスのプラットフォーム、つまり「プラットフォーマー・オブ・プラットフォーマー」になるという概念で、この提携にのぞんでいます。