復活の松坂にまさかの悲劇
ファンに右腕を引かれ肩に炎症

スポーツ選手のサイン色紙転売などで、「ファンのモラル」が問われている
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 球界に波紋を起こしたのが、キャンプ中の中日・松坂大輔投手が遭遇したアクシデントだ。練習場の移動の際、ファンに囲まれ軽く腕を引かれる形になったという。違和感を覚えたため診察してもらったところ、診断は右肩の炎症。キャンプを離脱することになってしまった。

 右肩の不調はMLBから日本球界に復帰した松坂をずっと悩ませてきた。ソフトバンクに在籍した3年間、一軍登板が1試合にとどまったのもそのためだ。が、中日に移籍した昨年、松坂は見事な復活を遂げる。11試合に登板して6勝4敗。この復活劇を中日ファンのみならず多くの野球ファンが喜び、今季の活躍を期待した。しかし、炎症が完治してから投球練習再開となると開幕には間に合いそうもない。さらに炎症の箇所が右肩ということも選手生命に影響するのではないかという不安もある。そしてその重大事の原因になったのが、押し寄せたファンであることが衝撃を与え、ネットでは球団の警備体制を疑問視する声が起きた。

 当の中日にとっても松坂の離脱は痛い。球界のレジェンドであり戦力としても期待大。今季は根尾昴内野手というスター候補生が入団したが、松坂はそれ以上の人気を誇り、グッズの売り上げはトップだ。今季を戦ううえでも営業面においても影響は大きい。そして、このアクシデントは他球団にもファン対応や選手の警備について再考させるきっかけになている。

 ただ、立派だったのはその後の松坂の姿勢だ。アクシデントがいつどのような状況でどんな人物によって引き起こされたのかを一切語らなかった。犯人探しが起こらないようにとの配慮だ。そして故障が判明した後も、前と同じようにファンと接しサインをしていたという。

 こうした松坂のファンを大切にする姿勢は、「これぞプロ」と評価したいが、最近はファンの側のモラルを疑いたくなる出来事が頻発している。