中国の華為技術(ファーウェイ)に対する米国の圧力がフィリピンにも及びつつある。フィリピンではファーウェイ製品を使った4億ドル(約443億円)の監視カメラ導入計画に議員が抵抗している。「セーフ・フィリピン(安全なフィリピン)」と呼ばれるその計画は、首都マニラとロドリゴ・ドゥテルテ大統領の出身地ダバオに1万2000台の閉回路テレビ(CCTV)カメラを設置するもので、中国の習近平国家主席が昨年11月にフィリピンを訪問した際に調印された。顔認証技術を使用して警察による犯罪対応の迅速化、証拠収集、容疑者の特定を支援することが目的だ。フィリピンの反対派議員は中国政府によるスパイ活動を懸念、今月初旬に成立した年間予算に条項を盛り込み計画への歳出を阻止した。上院には国家安全保障上のリスクの観点から計画について調査を求める決議案が提出された。決議案を起草したラルフ・レクト上院議員は、フィリピンは中国とは以前から南シナ海で領有権を争っており、議員の不安は大きいと話す。