婚活ブームとは裏腹に、衰退を始めたブライダル産業。最近では、海外へビジネスを展開する業者も出始めた。写真は台湾に進出したワタベウエディング。日本をはじめ海外での挙式は、現地の若者にとって憧れの的だ。 |
シンデレラ城の魔法がとける――。
婚活ブームは真っ盛りだが、結婚ブームは、一時の盛りを過ぎたようだ。花嫁たちのお城「ハウスウエディング会場」の中にも、崩壊の危機にさらされるところが出てきた。
そのひとつが、「クイーンズヒル迎賓館シャイニーキャッスル表参道」。全面ガラス張りのビルは、まさに「現代版シンデレラ城」だ。
表参道ヒルズからほど近い絶好のロケーションにオープンしたのは、2008年3月。ところが、それからわずか1年余りの今年5月、同式場の運営会社トリプルエー(旧社名ベルズ)が東京地裁に民事再生法を申請し、保全命令を受けたのである。
トリプルエーは、もともと結婚式コーディネート会社だ。2000年に創業し、埼玉県熊谷市でのレストランウエディングのスタートを皮切りに、業容の拡大に踏み切った。翌年、埼玉県寄居町に専用施設を開設し、本格的にゲストハウスウエディングに参入する。
その後、英国スタイルのゲストハウスウエディングを売り物に、埼玉県内を中心に10店舗をオープン。団塊ジュニアの結婚ブームを追い風に業績を伸ばし、07年12月期には年収高約37億3500万円を達成した。
ところが、過剰な設備投資のせいで社債や金融機関からの借り入れが膨らみ、資金繰りが逼迫。そこに折からの不況で予約客のキャンセルが増え、経営が悪化したという。
ナイトウエディングに新婦手作りケーキ
業界を席巻したハウスウエディング
「婚活ブームの影響か、厚生労働省の調べによると、婚姻件数は72万6113件と前年比6291件も増え、2年ぶりに上昇しました。ただし、結婚式場業56社の年収入高(売上高)の伸びは鈍化傾向にあるようです」