バロー横浜下長谷店(筆者撮影)最近では解凍技術も進み、色鮮やかなマグロを提案できる。
スーパーマーケットに足を運んで、生鮮食品や日用品を買う――という日本の風景が今後変わってくるかもしれない。というのも、スーパーを運営する企業各社はネットスーパー事業に力を入れ始めているのだ。しかし、ネットスーパーが絶対に主流になるかというとそういう簡単な話でもない。実店舗のスーパーはさまざまな工夫をして顧客を取り込もうとしている。(フードコンサルタント 池田恵里)
事業会社を追い込む人件費と建築費
「出店の際の建築費が高騰しており、非常に厳しい」
スーパーマーケットのライフを展開するライフコーポレーションの岩崎高治社長は、決算説明会でこの言葉を繰り返した。建築資材や人件費の上昇により、食品スーパーの出店環境は確実に変わりつつある。
こうした環境変化の中で、各社が強化を進めているのがネットスーパー事業である。コロナ禍で需要が急伸し、2021〜23年は各社の売り上げが倍増するほどの成長を遂げた。 コロナ収束後も勢いは衰えず、市場は拡大基調が続いている。
その中でライフは、2025年2月期決算短信の中で 「2027年に横浜でネットスーパー専用センターを稼働させる」と正式に発表した。 店舗出荷型の限界を見据え、センター型への転換を明確に打ち出した形だ。
富士経済の調査によれば、通販(EC)市場全体は2035年に16兆9480億円と、2024年比で15.4%増に達する見通しだ。なかでも食品・生鮮品は24年比で28.0%増と、成長をけん引するカテゴリーと位置付けられている。 ちなみに、2035年の化粧品の予測売上は14.5%増(24年比)となっている。
予想ではネットスーパーは拡大基調ではあるものの、これまでの参入をみると、非常に難しい業態であることも否めない。規模が小さいほど利益率は1%前後にとどまり、全体として薄利構造になりやすいのだ。
実際、過去にネットスーパーへ参入した企業の多くが黒字化に苦戦し、過去の参入事例を見ても、黒字化は極めて少ない。







