投資銀行が計算するM&Aの買収金額も、
エクセルのシミュレーションで決まっている
私は大学卒業後、モルガン・スタンレー証券(当時)投資銀行部にて、資金調達やM&A(企業の買収・合併)アドバイザリー業務に関わっていました。ここでは、100億円~数兆円という規模のM&Aについて、その買収金額の算出を投資銀行が行います。
では、投資銀行が大型M&Aの買収金額をどのように計算しているかというと、何か特別な計算システムを使っているわけではなく、すべてエクセルで計算しています。
エクセルの素晴らしいところは、なんといっても使い勝手が良いところです。カンタンな足し算から、大量のデータを分析することもできます。真っ白なキャンバスに絵を描くように、自分のやりたい計算イメージをそのまま反映させることができます。
世界中で毎年たくさんのM&Aが行われていますが、全く同じM&Aというものは存在しません。それぞれの案件の場面・状況に合わせて「どの数字を細かくシミュレーションするか」が変わってきます。このような柔軟なシミュレーションを行うためには、使い勝手の良いエクセルが向いています。
この連載では、私が投資銀行時代に得たシミュレーション手法の超基本を解説していきます。特に、エクセルを使ってどのように計算するのか、具体的なステップについても説明していますので、ぜひビジネス実践の場で活用していただきたいと思います。