何時も犠牲になるのは最前線で対応している人たちです。殉職した経緯や問題点などは早急に洗い出しをしてこのような悲劇が2度と起きないようにしてください。強くお願いします。

 あえてここで提言します。逃げ遅れの人がいなければ消防士はリスクを負ってまで建物の中には進入しません。だから「逃げ遅れるな!」と強く言わせてもらいます。

「火災発生→逃げ遅れ有り→消防士殉職」最悪の流れです。

 2017年2月の埼玉県三芳町の物流倉庫火災では幸いに逃げ遅れがいなかったので消防士が怪我や最悪の事態はなかったのですが、もし逃げ遅れがいたら殉職者が出ていたかもしれないと専門家の間でも話が出ています。

 火災を出さないよう予防注意はもちろん一番大事ですが、火災になってしまったらどうするか、脱出するためには何が必要か、救助に来てもらうまでの時間稼ぎをどうするかを徹底的に啓蒙・教育・装備・訓練しないとこのような悲劇は続きます。ビルや商業施設や一定の大きさを超えた集合住宅では消防設備の設置義務や保守点検及び報告義務さらに消防訓練などが消防法で課せられていますが、戸建の場合はほとんどありません。しかし火災の犠牲者のほとんどは戸建住宅での火災です。さらに消防士が犠牲になったのも戸建住宅火災です。

最悪のシミュレーション

 ここで戸建住宅の火災シミュレーションをしてみます。このシミュレーションは私と当社(レスキュープラス)社員の金川恭平および当社顧問で上級災害対策指導官サニー カミヤ氏が1月5日にNHK総合で放映されました「メガ実験バラエティ~すごいよ出川さん!」で戸建住宅での実火災実験に参加させていただた経験をもとに、当社での実験や火災警報器メーカーの実験結果、神戸市消防本部が行った実験などを参考にしたシミュレーションです。

 2階建て木造住宅で夫婦二人住まい、1階がリビングで2階が寝室。何ら防災を意識していない何処にでもある一般的な家庭。1階リビングで、寝る前に吸い殻入れを片付けた時に、重ねておいた座布団の間に火のついた煙草を落してしまった。煙草の火は徐々に座布団カバーを焼け抜け中綿の化繊に広がるが化繊は溶けていくだけで炎も煙もしばらく上がらない。しかし不完全燃焼により無色無臭の一酸化炭素(CO)が発生しだす。約30分後にはかなりの濃度のCOがリビングに充満してきたがまだ煙・炎は確認できない。