COはリビングのドアの隙間から階段を通じて2階へ上り、2階のドアの隙間から寝室に侵入し始める。無色無臭のCOは寝室の天井に溜まるが階段の壁や天井そして寝室の天井を通過する際に冷やされて少しずつ寝ている夫婦に近づいてくる。そして少しずつCOを吸い始めてしまう。

 40分が経過したあたりから座布団から煙が立ち始める、そして一気に座布団から炎が立ち上がる。カーテンに延焼したとたん天井近くまで炎が上がる。雑多なものに燃え移り不完全燃焼の黒煙が天井付近に溜まり始めて黒煙がうねるような状態が見えてくる。この時2階では二人ともぐっすり就寝中。

 不完全燃焼により大量の黒煙と大量のCO及び塩化水素、硫化水素、シアン化水素などの有毒性ガスも発生する。室内は燃焼が拡大して高温となり圧力が増加してCOを大量にドアの隙間から2階の寝室へ押し出す。しかし目に見える煙は2階寝室にまだ入ってこない。2階寝室ではまだまだぐっすり就寝中。

 その間に大量のCOが浸入して寝ている間に体内に吸引され体内酸欠状態へとすすむ。それでもぐっすり就寝中。耐火ボードで施工されているためか1階は炎・煙で高温なのに2階は何ら熱さを感じない。そしてとても静か。怖いくらいに静か。まさにサイレントキラー。

 1階は熱で圧力が増して窓ガラスが割れた。「ガシャン!」の音でようやく夫が目覚めた。この間、座布団から炎が上がってから約7分。窓ガラスが割れたため急激に空気(酸素)が火災室に吸入され天井に溜まった煙ガスに引火して炎が天井をなめるようにフラッシュオーバーとなる。

 トイレに起きた隣家の奥さんが異変に気付く。ガラスの割れた音がしたので外を見るとなんと隣家の窓から煙が出ていて1階の窓が真っ赤だ。

「わー大変だ、火事だー お父さん起きて!119番呼んで!!!」「隣の熊さん夫婦は2階で寝てるよな、2階の窓閉まってるぞ、逃げてないのか?!!」