実際、リーマンショック後でも新築物件の価格は2割、中古が1割しか下がらなかったのが実情である。100年に一度の金融危機でもこの程度だったので、今回の投資用不動産の下落局面でも、分譲マンション価格の下落はたかが知れていると思われる。

 今指摘されていることは、住宅ローンを借りて投資用不動産を手に入れているケースだ。住宅ローンが自宅でない融資に利用されている場合、金融庁は看過しないだろう。こうした手法は規制が厳格化されて、できなくなる可能性がある。そもそも自宅として住むからこそ、低金利になっているのだから。

投資用物件は早く対応すべき
自分でできることは何か?

 では、どうすればいいか。まず、投資用ワンルームを持っている人は損切りになるとしても3月までに売り切ろう。それ以上遅いと手遅れになるかもしれず、ローン完済までキャッシュアウトが続いて苦しむことになる。通常、投資用ワンルームを持っている人は自宅の住宅ローンも厳しいことが多い。ここで売却できれば、自宅も買えるようになるので一挙両得になる。

 1棟まるごとのアパート・マンションを持っている人は、再度将来のシミュレーションをしておこう。今後の返済リスクがどの程度あるか、キャッシュフローはどのように変化するかがポイントになる。それらが安定的に推移していくよう、自分ができることは何かを考えよう。物件を組み替えるには時間がないので、持ち続けられるか、切り離すならどれか、それはいくらならいいか、といったことを判断することになる。

 自宅を持っている人は慌てないことだ。不動産でも投資と自宅は全くマーケットが異なる。対岸の火事に慌てて売り急ぐ人が増えると、相場自体の軟調に拍車をかけることになりかねない。

(スタイルアクト(株)代表取締役/不動産コンサルタント 沖 有人)