ということは、太宰の文章のニュアンスがわかるくらい日本語を読みこなせるということでもある。

 しかし、ポーランドで太宰治と言ってもほとんどの人が「誰それ?」となる。

「ポーランドではまだ知名度が低いので、太宰治とはどういう作家なのか、本が書かれた背景なども合わせてしっかり伝えていきたいと思っています」

昨年10月の開店記念イベントには長蛇の列が!カロリーナさんは「W krainie tajfunw」(台風の国から)という人気ブログも運営しており、彼女の固定ファンも多い。
昨年10月の開店記念イベントには長蛇の列ができ、店内は賑わった Photo by Kamila Szuba

ポーランド人は
日本は完璧と思っている?

ヴロツワフ在住で日系企業に勤めていたアンナさんは、Tajfunyのビジネスに専念するためワルシャワに引っ越した。日本語を読むスピードの速さにはびっくり。
ヴロツワフ在住で日系企業に勤めていたアンナさんは、Tajfunyのビジネスに専念するためワルシャワに引っ越した。日本語を読むスピードの速さにはびっくり Photo by Filip Skronc

 一般的なポーランド人は日本をどのようにとらえているのか?という問いには次のように答えてくれた。

「日本は独自の伝統文化もあれば、最新のテクノロジーも発展している。ポーランドでは日本は“完璧な国”と思われているんじゃないでしょうか。Tajfunyに来る人は日本に興味があり、経済的にも余裕があり『日本だから買う』という人も多いですね」とカロリーナさん。

「日本とポーランドは距離も遠いし、ちょっと前までは簡単に行ける国ではなかったですよね。それだけにエキゾチックなイメージが膨らみ、憧れの国と思っている人も多いと思います」(アンナさん)

 店舗オープンからまだ数ヵ月だが、今後のビジネス戦略についてカロリーナさんは次のように語る。

「Tajfunyでは自分たちが実際に読んでいいと思ったものだけを扱っています。質の高い本を出版したり販売することで、ポーランド人ももっと日本について理解を深めることができると考えています。小説だけでなく、さまざまなジャンルやテーマの本を手掛け、多角的に日本を紹介していきたいですね。時間もお金もかかるし、簡単な道ではないことはわかっているけど、これがやりたいことだから頑張ります。質にこだわるのが私たちのビジネスのストラテジーです」