米テキサス州西部は過去にも原油ブームに沸いたが、今回はこれまでとは比べものにならないと住民は語っている。シェール掘削が原油生産を大幅に押し上げ、同州西部からニューメキシコ州にまたがるパーミアン盆地は、米国随一の油田地帯に一変した。木々の間に点在する過疎地の町が、一夜にして工業地帯へと変貌したかのようだ。フラッキング(水圧破砕)で採掘する「ゴールドラッシュ」が富を生み、資金と労働者が流れ込んでいる。それと同時に、生活必需品も今では値が張るようになり、たばこからフラッキング用の砂にいたるまで、あらゆる商売にチャンスが広がっている。散髪に行こうにも、テキサス風バーベキューを注文しようにも、需要が供給をはるかに上回っている。住宅も不足し、ホテルは時に1泊500ドル余りと、ニューヨークに匹敵するほどだ。