一生懸命頑張っているのに、仕事で結果が出ない。認められない。そんな葛藤に悩んでいる人は多いはず。総合広告会社でクリエイティブディレクターとして活躍する川下和彦さんもそんな1人だったが、ある小さな習慣をきっかけに10年以上続いた「ざんねんな状態」を脱することができたという。なぜ川下さんは、ざんねんな状態を抜け出せたのか。その理由とともに、一生懸命頑張らなくても結果が出せるようになった方法を紹介する。
「カネない、モテない、デキない」
10年以上続いた三重苦状態
クリエイティブディレクター/習慣化エバンジェリスト
2000年、慶應義塾大学大学院修士課程終了後、総合広告会社に入社。マーケティング、PR、広告制作など、多岐にわたるクリエイティブ業務を経験。2017年春より、新しい事業を創造し、成長させることを標榜するスタートアップ・スタジオに兼務出向。広告クリエイティブに留まらず、イノベーション創出に取り組んでいる。著書に『コネ持ち父さん コネなし父さん』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『ざんねんな努力』(アスコム)などがある。 写真:原貴彦
私は現在、総合広告会社に勤めており、かつては一生懸命頑張っているのに一向に結果が出ない「ざんねんな努力」を続けていました。しかし、あることをきっかけに正しいアプローチを身につけてから、頑張らなくても結果が出せるようになったのです。そこで、今回は私の実体験を振り返りながら、頑張らずに結果を出す方法をご紹介したいと思います。
私は2000年に総合広告会社に就職しました。入社当時は身長175cmに対して、体重は約60kgの少しやせ気味の体形でした。ところが、元来、意志が弱いだけでなく、お酒が大好きだった私は、お得意先や会社の上司、同僚から誘われたら断れず。あちこち飲み歩き、ラーメンで〆て深夜に家にたどり着くと、着の身着のままベッドに倒れ込む毎日でした。
そんな私がどうなったかは、想像に難くありません。体重はたちまち20kg以上増加し、肌は荒れ放題。飲み会に行けば行くほど、お財布は寂しくなっていく一方。揚げ句の果てにはスッカラカン。服装に関しても、体形を隠せるドバッとした、大きいサイズばかりを選ぶようになっていました。飲み過ぎで慢性的に体はだるく、頭はボーッとしている。判断力が弱っているから、仕事は先延ばし。こうして見事に、「カネない、モテない、デキない」の三拍子揃った人間になっていました。
三重苦から抜け出したいと思っていた私は、毎年新年を迎える度に、「今年こそ貯金するぞ!」「ダイエットするぞ!」「仕事で結果を出すぞ!」と張り切って抱負を掲げていました。
ところが、節約の決意はあっという間に新年会ラッシュに押し流される。意気揚々とジムに申し込んでも、華麗なる三日坊主で長く続かない。重たい頭と体を引きずっているようでは当然いい仕事なんてできるわけがない。貯金、ダイエット、仕事でハッスル、どれもこれも1週間もしないうちに挫折。そうこうしているうちに、10年以上ずっと変われない自分のまま過ごしていました。まさに、延々と「ざんねんな努力」を繰り返していたのです。