ゼネラル・エレクトリックPhoto:iStock/gettyimages

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 米複合企業ゼネラル・エレクトリック(GE)の正直者が自らの足を撃った。株主はこれが軽傷で済むことを願った方がいいだろう。

 GEをめぐる多くの顔ぶれのうち、投資家の間で最近評価を上げたのは2人だけだ。1人はJPモルガン・チェースのスティーブン・トゥサ氏。同氏はGE株が数年ぶりの安値を更新し続ける中でも、GEの問題について一貫して警鐘を鳴らしてきた唯一のアナリストで、今回また手柄を挙げた。もう1人はラリー・カルプ最高経営責任者(CEO)。バイオテク事業の売却を発表して投資家を満足させたが、こちらは5日にトゥサ氏の質問を受けて驚きの告白を行ったことで評判を一部落としたかもしれない。

 カルプ氏はJPモルガン主催の会議で、産業部門(問題を抱える金融部門GEキャピタルを除く)のフリーキャッシュフローが、今年はマイナスになる可能性があるとした。これを嫌気し、GE株は売り込まれた。

 カルプ氏は1月の決算会見では具体的な業績見通しを示していなかった。短い就任期間で終わった前任のジョン・フラナリー氏も、2018年のフリーキャッシュフロー目標に届かず失敗している。トゥサ氏はこれに先立ち、航空機リース部門のGEキャピタル・アビエーション・サービス(Gecas)が、航空機販売の報告で利益を水増ししている可能性があると報告書で指摘していた。

 GEの株価は昨年12月終盤以降、6割近く持ち直していた。この株価の戻りには、カルプ氏がGEキャピタルの財務を安定させるとの見方が少なからず寄与していた。保険事業を巡る懸念は残るが、Gecasは明るい材料だとみられていた。

 産業部門のフリーキャッシュフローがマイナスになるというのは大きな悪材料だが、カルプ氏がバランスシートの強化に乗り出した数カ月前に明らかになっていた場合に比べれば、それほど恐ろしくないかもしれない。発電部門に弱さがあることは認識されているが、GEキャピタルはブラックボックスの様相が一段と強い。新たな疑問の浮上により、投資家が動揺するのは無理もない。

(The Wall Street Journal/Spencer Jakab)