昨今、パチンコ業界では出玉や広告に関する規制強化が進み、かつての勢いを失いつつある。そんな中、業界が生き残りのために取り組んでいるのが女性客の獲得だ。女性客に向けたサービスを試行錯誤する現場の声をリポートする。(取材・文/清談社)
衰退の一途をたどるパチンコ業界が
力を入れる「女性客獲得」
パチンコ業界は斜陽の一途をたどっている。日本生産性本部が公表した『レジャー白書2018』によると、2017年のパチンコ参加人口は、前年と比較して40万人減の900万人。さらに帝国データバンクによれば、パチンコホール経営業者の倒産は2018年10月末時点で20件。この時点で昨年と同じ件数となり、2年連続で倒産件数が増加する見込みだという。
マイナス要因が多いパチンコ・パチスロ業界は、2019年も厳しい状況が続くだろう。そんな苦境にあえぐ業界では、どうにかパチンコ参加人口を取り戻そうと、業界関係者たちが血眼になりながら試行錯誤している。なかでもメーカーやホールが重点的に力を入れているのが女性客の獲得だ。
実際にホールへ足を運んでいる人なら分かると思うが、パチンコファンは圧倒的に男性が多く、そもそも女性客は少ない。事実、2016年に行われたある調査では、パチンコ遊技人口のうち約8割が男性だという結果が出ている。つまり客離れが進んだパチンコ業界は、まだまだ取り込む余地のある女性客の獲得に活路を見いだそうとしているのだ。
「大々的にイベントを開催できた2000年代前半には、レディースデイに女性専用の台を設けるなど、女性客向けのサービスを提供してはいました。ただ、真剣に取り組むようになったのは、2007年ぐらいからですね」(パチンコ業界関係者)
2007年といえばパチスロに規制が入り、射幸性の高い4号機から、出玉性能が抑えられた5号機へと完全移行した年である。多くのパチンコ・パチスロファンが離れてしまい、結果、パチンコ店の倒産が相次いだ。その客離れを止め、さらには新規客を増やす1つの手段として、女性客を取り込むために動きだしたというわけだ。