欧州中央銀行(ECB)のマリオ・ドラギ総裁は、金融政策の正常化が軌道に乗ったと思ったまさにそのとき、欧州の指導者たちの失敗によって舞台の中央に引き戻された。ユーロ圏はリセッション(景気後退)に近づきつつあり、イタリアでは常に銀行危機が迫っているようにみえる。そして注目すべき少数の例外を除けば、政治指導者たちは経済改革を求める同総裁の訴えを無視していた。そこで、マリオが再び助けに来た、というわけだ。ドラギ氏は7日、ECBの定例理事会で政策金利に関する「フォワードガイダンス」を調整し、利上げの時期を早くても2020年まで先送りした。以前は年内の利上げの可能性を示していた。同氏はまた、新たに「対象を絞った長期資金供給オペ(TLTRO)」を実施し、2023年まで欧州の銀行に有利な条件で資金を供給すると発表した。そして、疑問を抱かないために言っておくと、ECBは2.6兆ユーロ(約325兆円)の量的緩和プログラムの下で購入し、満期を迎えた債券をロールオーバーする予定だ。