洋服を抱える女性Photo:PIXTA

 どんより曇ったある日、アン・カーティスさんはステーションワゴンの後部座席にがらくたを積み込んだ。末娘の大学進学をきっかけに家を片づけたいカーティスさんは「コンドウに夢中」だと語る。「こんまり」として知られる片づけのカリスマ、近藤麻理恵氏のことだ。「ロフトや物置、ガレージを整理したくてたまらない」

 何年も使っていないゲームやくたびれたハンドバック、靴、装飾品、寝具などを積み、ロンドン郊外のギルフォードのリサイクルショップに行くと、汗にまみれ、いらいらした様子の年配の男性が現れた。

 「寄付の品を持ってきました」と笑顔で言うカーティスさんに男性はあきれ顔でこう言ったそうだ。「持ってこない人はいません」

 リサイクルショップで働く人々にとって、近藤氏はときめきをもたらす存在ではないようだ。

 近藤氏が登場するリアリティ番組「Tidying Up With Marie Kondo(KONMARI~人生がときめく片づけの魔法~)」の配信が今年1月にネットフリックスで始まって以来、世界中のリサイクルショップに寄付が殺到している。問題はくたくたの衣類や買い手がつかないような家電製品が大量に持ち込まれていることだ。ポルノ雑誌や剣など奇妙な寄付もある。