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アナリティクスを買うなと言う、
アナリティクスソフト会社とは?
――日本テラデータ・髙橋倫二社長に聞く

大河原克行
2019年3月13日
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「答え」とはビジネスの課題を改善する目標のこと

 では、アナリティクスを導入するには、どんな点を考慮しなくてはならないのか。

 それが、日本テラデータが打ち出したメッセージの後半にある「いまこそ、『答え』に投資すべきである」という言葉に集約される。

 髙橋社長は、「アナリティクスを活用する際に、経営者や現場が、最初に考えなくてはならないのは、いま必要な答えはなにかということである。そして、その答えを導き出すために必要なデータはなにか。そのデータはどこにあるのか。これをIT部門などと一緒になって考えることになる。これが、アナリティクスを活用して、答えを出し、成果に結びつけるための投資を最大化することにつながる」と語る。

 ここでいう「答え」とはなにか。それは経営判断に必要にされる情報であり、現場の生産性向上や新たなビジネスの創出などに必要とされる情報である。

 「『答え』とは、経営者や現場であれば、すでにわかっていることである。まずは、それを明確にする必要がある」とする。

 髙橋社長は、ユーザー事例として豪カンタス航空を取り上げた。

 「カンタス航空にとっての答えはなにか。それは、燃費の向上であった。燃費を向上させれば、大幅な燃料コストの削減につながり、経営環境や競争環境を変えられることが最初から分かっていた。だが、燃費を向上させるためのやり方がわかっていなかった。そこに、テラデータのアナリティクスを導入した」とする。

 航空会社にとって、最大のコストは燃料費であり、カンタス航空では、年間1万9000フライトの実績において、約3600億円の燃料費がかかっていたという。そこで、カンタス航空は、GE Aviationとの提携によって、FlightPulseアプリを開発。そこに、テラデータのデータ分析技術を活用し、燃費を向上させるために、風や雨といった気象データや、エンジンのパフォーマンスデータ、顧客数や貨物数などのデータ、遅延状況などのデータを活用。1時間あたり200万ポイントのデータを分析して、燃費の改善につなげる回答を見つけ出した。

 具体的には、気象データをもとにして、風を利用した最も燃費効率が高い飛行ルートを選択する一方、フラップの最適な角度や飛行速度などを改善。顧客数や貨物量にあわせて最適な操作をパイロットが行えるようした。さらに、地上走行時に不要なエンジンをシャットダウンするといったことも行った。これによって、飛行機の燃費を1.5%改善することに成功したという。

 「燃費が1.5%向上したというのは、小さな数字に見えるが、それだけで年間50億円規模の燃料コストの削減につながる。カンタス航空にとっては、1.5%だけでも燃費を向上させれば、年間の燃料コストが大幅に削減できるということがわかっていた。その『答え』を導き出すためにアナリティクスを導入した」と、髙橋社長は、この事例の意味を示す。

 重要なのは、カンタス航空が、導き出したい「答え」を明確にして、アナリティクスを導入したという点だ。

 「燃費を向上させるという『答え』を導き出すというゴールが明確でないと、手元にエンジンのパフォーマンスデータがあり、顧客データがあり、気象データがあったとしても、そこから燃費の向上につなげることはできない。できたとしても多くの時間がかかる。時間をかけていては、効果が最大限発揮されたとは言い難い。それはアナリティクスへの投資が無駄であるのと同じだ。だからこそ、『答え』に投資をすることが大切である。アナリティクスに投資をするのならば、なにを導き出せば、経営判断や現場の改善に役立つのかということを改めて考える必要がある」と警鐘を鳴らす。

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