相手の「声」に着目して
心理状態を予測した研究

 心理学ではこれまで、相手の仕草や表情、服装などと同様に、相手の声に着目した研究も数多くなされている。その論文も多数公表されているので、興味がある方は調べてみてほしい。

 今回はそれらの論文の中から、Leongómez JD, Mileva VR, Little AC, Roberts SCの2017年の論文「Perceived differences in social status between speaker and listener affect the speaker's vocal characteristics」の研究結果から、営業にとって商談の場面で役立つ「相手の声をヒントに、相手の心理状態を予測する方法」を一緒に見ていこう。

 まずこの実験内容を紹介する。

【研究概要】

・学生たちにインタビューをやらせる。
・学生は、スターリング(Stirling)大学の学生(男性24人〈平均年齢±SD = 20.8歳± 6.56歳〉と女性24人〈20.2歳 ± 5.51歳〉)。
・インタビューそのものは架空のインタビューで、学生はそれを知らない。
・インタビューする相手によって、インタビューする学生の声がどれくらい変化するのか?を調べた実験である。
・学生は下記の3人(3タイプ)の人物にインタビューする。3人は下記の通り。

 1.高校の人事担当者
 2.監獄のセキュリティのチーフ
 3.ビジネススクールの部長

【研究結果】

相手によって、学生の話し方に変化が見られた。

・学生から見て「あの人は自分よりも格上だ」と思ったとき、学生の声が明らかにワントーン高くなった。
・逆に「相手は自分よりも格下だ」と思ったときに声が低くなった。