重要な商談やプレゼンは非常に緊張するものである。相手の表情やその場の雰囲気を読みきれずに焦ってしまう人も少なくない。それでも必ず成功し、結果を出し続ける人がいる。プレッシャーや緊張を克服して成功する人とそうでない人との違いは何か。その対処法を含めて紹介しよう。(AKTANA International LLC プリンシパルコンサルタント 高橋洋明)
プレゼンで顧客の表情が読めず
緊張して焦ってしまう
前回の『法人営業で安易な「必殺技」を求めてはいけない理由』の最後に、次回は収集した顧客のさまざまな情報をどのように整理・分析して活用すればいいのかについて触れると書いた。
ところがその後、「顧客との商談やプレゼンの場面で、顧客の表情や雰囲気を敏感に察知できず、適切に対応することができない。何かアドバイスはないか?」というお便りをいただいた。確かにそのような場面は多々ある。
そこで今回は、顧客との商談やプレゼンテーションでの質疑応答など、顧客の本音を敏感に感じ取る方法について触れていくことにする。収集した顧客のさまざまな情報の活用については、次回以降に改めて紹介しよう。
顧客との商談やプレゼンテーション時の質疑応答などは、ビジネスの成否に関わる重要な局面だ。自分としてはなんとしても自社の財・サービスを採用・購入してほしいし、顧客も提案されている財・サービスの金額が高額になるほど見る目も厳しくなってくる。
さらには、商談の際、自分1人で複数の顧客に対応しなければならない場面になることもある。例えば、いつも商談している担当者だけでなく、「その話をもう少し詳しく聞きたい」などを理由に担当者の上司や営業部長、製品責任者、購買担当者など、相手の社内のさまざまな部署・階層の人たちが同席する商談の場面だ。
商談はいつも失敗が許されないから、1人で何人もの顧客に対応するときはいつも以上に緊張感が高まり、普段の冷静な自分ではいられなくなるかもしれない。むろん、事前の入念な準備は欠かせなくなる。