娘の自転車に乗る父親Photo:iStock/gettyimages

 父親が受けを狙って何か言ったものの、まったく笑えなかったという経験は多くの人があるだろう。父親が発する駄じゃれや陳腐な短いジョーク、いわゆる「おやじギャグ(Dad Joke)」は子供たちから一斉に冷たい視線を浴びることがしばしばだ。

 しかし、子供を持つと急につまらない冗談を言うようになることに生物学的な理由は何かあるのだろうか。ロチェスター大学の教授で精神科医のロバート・ピアース氏は、患者と向き合う時に(そして自分の3人の子供と向き合う時も)ユーモアを多用する。そのピアース氏が、なぜ父親が駄じゃれに引き寄せられてしまうのか、さらに「おやじギャグ」がいかに父親と子供の距離を縮め得るのかについて説明する。

ユーモアのメリット

 心理学研究者らはこれまで、ユーモアに悩まされ続けてきた。被験者を研究室に押し込んで笑わせようとしても、そうした行為がそもそも面白くはないからだ。ユーモアを定義するのは難しく、管理された環境ではなおさらだ。

 ピアース氏は患者と向き合っている時の多くでユーモアが役に立つと考えている。「異なる視点を与えてくれたり、『ここではみんな一緒』というような感覚をもたらしてくれたりする。タイミングが良ければ、言いたいことを強くかつ優しく伝えることができる」というのだ。