飼い犬用の車いす改造が
すべての始まりだった

 実は川西さん夫妻は、もともと骨董販売業を営んでいた。モノづくりの経験はまったくなかったという。そんな2人が車いすを作るようになったきっかけは、自宅で飼っていた1匹のダックスフントだった。

川西さん夫妻の愛犬スイーピー。動物病院で作った車いすが合わず、試行錯誤して改造するうちにノウハウがたまった

「飼い犬のスイーピーがヘルニアになり、後ろ脚が不自由になったんです。動物病院で車いすを作ってもらいましたが、どうも使い勝手が悪かった。それで、工具や材料を買って、少しずつ改造していきました。その車いすで散歩をさせていると、ある日、知らない方から声をかけられたんです。聞けば、知り合いの家に歩けない犬がいるので、どこで作ったのか教えてほしいとのことでした」

 この出会いをきっかけに、安くて気軽に使える車いすを欲しい人がいるのでは、 と思い至った川西さん夫妻。

「部品を探したり、ネットで調べたりした結果、2万円程度でできることがわかったんです。それで手探り状態で作っていきました。なんとか形になった製品を試しにネットで売ってみたところ、すぐに5台の注文が来たんです。これには驚きました!」

 こういう経緯を経て、2013年に本格的に車いす製作に乗り出す。現在まで2000台を全国の家庭に届けているが、一度もクレームはないという。

 販売を機に、仁美さんはペット用車いすの勉強を始める。小動物看護士・介護士、ドッグシッターの資格も、猛勉強の末に取得した。英治さんは、より使いやすい車いすを作るために、研究を重ねた結果、他には真似できない製品を作れるようになっていった。