南三陸町の沿岸では、防潮堤の建設が急ピッチで進む
南三陸町の沿岸では、防潮堤の建設が急ピッチで進む=南三陸戸倉地区 Photo by Noriyoshi Ohtsuki

 東日本大震災から8年がたち、被災地では道路や公営住宅などの整備はそれなりに進んだ。だが国や県などから聞こえてくるのは、「復興の加速」「工事を急げ」といった声だ。

 10年間で32兆円が計上されている復興予算のタイムリミットまで、あと2年。巨額の復興予算を使い切ろうと、国と自治体が二人三脚で猛ダッシュをする。

 多少つまずいても、気にするそぶりはない。被災者そっちのけの“復興レース”の様相だ。

“住民無視”で進む防潮堤工事
工期が迫り「ずさん設計」

 太平洋を仰ぐ宮城県南三陸町の志津川湾に、カモメの鳴き声が響く。

 8年前の巨大地震と津波で、南三陸町では死者・行方不明者合わせて831人が犠牲になり、町内の6割近い3143戸が全壊した。