「もうマンションを買ってもいいかな。でも損はしたくないし、ローンも怖い」。
そんなあなたが買うべきは、「60m²前後」×「駅徒歩7分以内」×「2001年以降完成」のマンションしかありません。

本連載の書き手は、「不動産ひと筋30年! 12000人と面談し、成約件数は6000件以上」という圧倒的なキャリアを持つ後藤一仁氏。不動産仲介会社の“現役”社長です。「不動産を通じて、1人でも多くの人に幸せになってほしい」という願いが込められた『マンションを買うなら60m²にしなさい』の著者でもあります。「損をしない、戦略的なマンション選び」を語ってもらいます。

「すぐ見つかる」中古マンションに飛びついてはいけない理由

なぜ「すぐ見つかる物件」に気をつけるべきなのか?

 新宿から15分以内くらいで緑が多く、準都心と準郊外の境くらいに位置する東京都世田谷区の人気沿線・人気駅であっても、「駅から徒歩11分以上」の物件は、決定するまで時間がかかることが多いです。

 築10年前後で状態もよく、高級感があっても、売り出し開始から半年、1年以上経ってもまだ決まっていない物件が多くあります。

 その一方で、同エリアの「駅から徒歩10分以内、専有面積65m²以内」のマンションはすぐに売れてしまい、市場に販売中の物件がほぼない(売りやすい)状況です。

 例えばレインズで、2018年のある月に売却されている同エリアの築10年以内のマンションを検索してみると、「駅徒歩11分以上、70m²以上の物件」は10件ありますが、「駅徒歩10分以内、70m²以上の物件」は4件に減り、そして「駅徒歩10分以内、55m²以上65m²以内の物件」は1件だけです。

 ちなみに、「駅徒歩5分以内」はどちらの面積帯でも0件です。では、検索条件を緩和し、築30年にまで広げるとどうなるでしょうか。

「駅徒歩11分以上、70m²以上の物件」は30件あり、「駅徒歩10分以内、70m²以上の物件」は12件です。しかし「駅徒歩10分以内、55m²以上65m²以内の物件」は3件しかありません。