米フェイスブックのライブ動画機能は、有効な解毒剤のないまま、瞬時に問題をまん延させる存在になりつつある。マーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は、フェイスブック上でのユーザー同士のやり取りを公の目に触れないようにしたいと語った。だが同社は先週、図らずも祈りの空間で発生した恐怖の犯行現場を生中継し、その最前列でユーザーが目撃する事態を許してしまった。フェイスブックのリアルタイム動画機能が23億人のユーザーにとって大きな魅力であるかどうかは不明だが、フェイスブックにとって、中核の投資分野であることは確かだ。だがその「売り」はここにきて、疑わしくなってきたようだ。同社は2016年、若者ユーザーをつなぎ留めるため、リアルタイム動画が投稿できる「フェイスブック・ライブ」を急きょ立ち上げた。その点において、傘下の写真共有サイト、インスタグラムの「ストーリー」など、動画を推進する戦略の一部は成功したが、その他の取り組みはそれほどユーザーへの訴求にはつながらなかった。フェイスブックはライブ動画に関するデータを明らかにしていないが、ソーシャル版の「ネットフリックス」や「フールー(Hulu)」に相当する同社のオンデマンド型動画プラットフォーム「ウオッチ」は、日々、7500万人のユーザーが視聴している。それはフェイスブックの総デーリーアクティブユーザー数の5%に過ぎない。