ウォルマートが買収に来た!
市場急縮小でうごめく面々
品質の確かなナショナルブランド品を地域最安値で提供する「高品質・エブリデーロープライス(常時低価格)」で消費者の支持を集め、首都圏で年商2300億円超、経常利益140億円を上げる有力スーパーのオーケー。
その創業経営者である飯田勧社長の元をエブリデーロープライスの本家本元、米ウォルマートのトップが幹部を引き連れて訪れた。狙いはオーケーの買収である。
子会社・西友の立て直しにめどが付いてきたウォルマートが、日本での事業拡大に向けて地方スーパーの買収に乗り出しているのは周知の事実。
イオンは昨年、合わせて年商約3000億円の規模を持つ四国の有力スーパー、マルナカとその関連会社の山陽マルナカを子会社化することに成功したが、ウォルマートもイオンの対抗馬として買収に動いていたとされる。
マルナカグループは多額の債務が身売りの原因と指摘される一方、オーケーは実質無借金経営。「ウォルマートが日本で一番欲しい会社は当社だろうが、断った。そうしたら何歳まで社長を続けるのかと聞いてきた。私が死んだら、また買いに来るつもりらしい」と今年84歳になる飯田社長は笑う。
食品スーパー業界では今、再編の動きが加速している。
昨年は、セブン&アイ・ホールディングスが近畿日本鉄道子会社の食品スーパー、近商ストアに30%出資したほか、北海道最大手スーパーのアークスが青森県の地場トップであるユニバースを経営統合。今年9月には岩手県のジョイスもアークスの子会社となる。
食品スーパー最大手、ライフコーポレーションの岩崎高治社長は「最近はM&A関連の案件が持ち込まれることが増えた」と再編の動きが活発化していることを認めるが、そのライフは業界きっての優良企業として知られるヤオコーと商品開発や資材調達などで提携協議に入ると発表した。