『週刊ダイヤモンド』3月30日号の第1特集は「株・為替の新格言」です。高速化と高度化が著しい機械取引に加え、官製相場といえる中でどのようにして投資に向き合えばよいでしょうか。低金利環境の長期化などで投資対象の選別が難しさを増す今、ニッポンの富裕層が非上場株に勝機を見いだし始めています。(本記事は特集からの抜粋です)
「必ずしも市場にいる必要はない」とは、米ウォール街の有名な相場格言の一つだ。日本で言い古されてきた「相場の器用貧乏」という言葉にも通じるが、要は、いくら小手先の売買を繰り返して目先の小さな利益を上げても大きな成果は期待できず、大局的な見地から投資した方がよいとの教えを指す。
機械化が進み、超高速相場となった現代ではなおさら。そんな状況もあってか、ニッポンの富裕層の間で今、にわかに関心を集めているのが、非上場ながら企業価値が10億ドル(約1110億円)を超える、いわゆる「ユニコーン」と呼ばれる企業への投資だ。
世界の有力な非上場企業に個人投資家が投資するのは通常困難を伴うが、その道を開いたのが2017年に日本のスタートアップとして産声を上げたHiJoJoパートナーズ。非上場株1銘柄につき1ファンドを立ち上げて投資家を募集する事業を始めたところ、勝機を見いだしたオーナー企業経営者などの富裕層マネーが続々と流れ込んでいるのだ。