「そこそこの富裕層」は、海外諸国と比べると日本にはかなり多く存在するが、「スーパーリッチ」は非常に少ない。不動産コンサルティング会社の英ナイトフランクが世界の富裕層の状況を分析した「ウェルス・レポート2019年」を読むと、そんな構図が見えてくる。
保有資産100万ドル以上の人は日本に230万人いるという。これを国際連合集計の人口で割ると、100万人当たり1.9万人になる。他国は、米国1.8万人、カナダ1.2万人、英国1.3万人、ドイツ1.9万人、フランス0.9万人、台湾0.6万人、韓国0.4万人、中国0.1万人だ。
豊かな小国(スイス3.9万人、スウェーデン2.1万人、シンガポール3.0万人)にはかなわないが、人口2000万人以上の国で見れば日本はトップに近い。
しかし、資産10億ドル以上のビリオネアとなると、日本はわずか35人だ。100万人当たり0.3人である。主な先進国の中では異様に少ない。米1.8人、カナダ1.2人、独1.5人、英0.8人、仏0.6人、台湾1.5人、韓国0.9人である(米誌「フォーブス」の最新ビリオネア調査もおおよそ同様の数値だった)。