米国では移民問題をめぐる政策論議があまりにも二極化しているため、建設的な政策でさえも、右派か左派のどちらかによってすべて拒絶される状況となっている。だが南部の国境では本当の危機が迫っている。難民関連法にまつわる不条理な誘因によって、移民希望者が急増し、国境警備の対応能力を超えつつあるのだ。米税関・国境警備局(CBP)局長のケビン・マカリーナン氏は先週、中米からの家族連れの難民の急増で国境は「限界点」に達したと語った。こうした難民殺到の背景には、好調な米経済以外にも要因がある。2000〜2017年には、メキシコ経済の好転と国境警備の強化を受けて、拘束者数は80%減少した。しかし、親子連れで難民申請すれば、何年間か、あるいは永遠に米国内にとどまることができるとのうわさが広まり、昨年から移民希望者が増えている。
【社説】米国の移民危機、抜け穴だらけの制度
子供がいれば入国が保証されたも同然の壊れたシステム
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