「働き方改革」が喫緊の課題となっている。そんななか、プレッシャーが増しているのがプレイングマネジャー。個人目標とチーム目標を課せられるうえに、上層部からは「残業削減」を求められ、現場からは「仕事は増えてるのに…」と反発を受ける。そこで、1000社を超える企業で「残業削減」「残業ゼロ」を実現してきた小室淑恵さんに『プレイングマネジャー 「残業ゼロ」の仕事術』をまとめていただいた。本連載では、本書のなかから、プレイングマネジャーが、自分もチームも疲弊せずに成果をあげるノウハウをお伝えしていく。

「勉強会」でチームワークを強化する

「働き方改革」がある程度進み始めたチームには、ある共通点が見られるようになります。「勉強会」を開こうとするチームが増えてくるのです。

 というのは、「資料のテンプレート化」や「業務のマニュアル化」を進めると、メンバーたちがお互いの業務知識を共有し始めるからです。そして、「あの人の知識や経験をもっと詳しく知りたい」「みんなの知識を共有すれば、もっと高い成果を出せるチームになれる」という声が出てくるようになり、自発的な「勉強会」が始まるケースが多いのです。

 あるアパレルの店舗では、そんな「勉強会」が大きな成果を生み出しました。
 その店舗では、朝一番にメンバー全員で掃除をするのが日課でしたが、「働き方改革」についてディスカッションを重ねるなかで、あるメンバーが「一日のうち、最も頭がクリアな時間帯にするべきことは本当に掃除だろうか?」という疑問を口にしたのがきっかけとなりました。

 それを聞いた別のメンバーが、「そうですよね。私は、季節や天気に合わせて、お客様に洋服を提案する力が弱いと思っています。もっと先輩たちに学んで、力をつけたいです。一日の始まりに、短い時間でもいいから、今日の天気・品ぞろえならば、先輩たちがどう考えるのかを教えてもらう勉強会をしたいです」と提案したのです。

 そこで、それまで掃除にあてていた開店前の時間を使って、メンバー全員で勉強会を開いて、それぞれの専門知識を共有し合うことにしました。掃除は、「スキマ時間」にこまめにやればいいと考えたわけです。

 そして、マネジャー(店長)は自発的に勉強会を始めたメンバーを応援するために、毎朝おにぎりを差し入れました。そんなマネジャーの後押しもあって、メンバーたちはモチベーション高く勉強会を継続。その結果、年次の浅いメンバーの接客の質が向上し、顧客満足度も仕事の効率も向上。お店の売上もどんどん上がっていったのです。

 このように、「勉強会」によって、それぞれがもつ業務知識を共有するのは、非常に効果的です。なぜなら、「勉強会」を行うことで、マニュアル化しきれない「経験値」のようなものも共有できるからです。しかも、お互いに学び合うスタイルをとることで、メンバー同士の「関係の質」も大きく向上します。チームワークを強化する「最強の方法」と言っても過言ではないのです。