健康診断を受けても、実際に生活習慣を変えなければ、糖尿病や脳卒中、心臓病などの病気は予防できない。そこで、東京慈恵会医科大学の横山啓太郎教授は、タニタの協力を得て、日本で初の生活習慣を変えたくなるという新しいコンセプトの「人間ドック」を設立した。そのきっかけや狙いについて、横山教授に話を聞いた。(医療ジャーナリスト 木原洋美)

東京慈恵会医科大学の横山啓太郎教授
東京慈恵会医科大学の横山啓太郎教授 Photo by Hiromi Kihara

同じ食事でも健康的か否かは
人、タイミングで異なる

(うわっ、私の血糖値、糖尿病レベルまで上がっている。すごいな)

 東京慈恵会医科大学の横山啓太郎教授はギョッとした。

「皮膚に貼り付けて、常時計測し続けるタイプの血糖値測定デバイスがあるんですけどね。診療中の昼食で、おにぎりとシュークリームを食べたらぐんと上昇していました。糖尿病領域でした。焦りましたね」

 横山教授の専門は、腎臓・高血圧内科。自らが立ち上げた「行動変容外来」の質を高めていくために、ウエアラブルの血圧計や血糖値測定デバイスを使い、データを見ながら試行錯誤を繰り返していた頃の話だ。

 おにぎりとシュークリームの昼食は、いかにも血糖値が上がりそうなメニューだが、それでもまさか、自分の血糖値がそこまで上昇するというのは想定外だった。

「ところがです。その夜、家でビールとすき焼きとご飯を食べた時には、血糖値は上がりませんでした。さらに後日、埼玉県で講演している最中には血糖値がぐんと上がったにもかかわらず、講演後、酒や肴など、やはり血糖値を上げそうな飲食物をたくさん取った時には、血糖値はぜんぜん上がりませんでした」

 それはつまり、どういうことなのか。