「子ども食堂」3つの課題、新規参入を拒む同業者もいる矛盾
政府公認で一大ムーブメントとなった「子ども食堂」活動。しかし近年、今後を危うくするリスクも孕んだ課題が、次々に浮上してきたように見える(写真はイメージです) Photo:PIXTA

しんどい子どもの支援に特化した団体が
「子ども食堂」を再開した理由

 今年4月2日、認定NPO法人・「大阪子どもの貧困アクショングループ(CPAO=しーぱお)」が、民間研究会「生野子育ち社会化研究会」とともに、大阪市生野区で「いくの子ども食堂」を開始した。今後、定期的に開催される見通しだ。

 CPAOの活動の原点は、2010年と2013年に大阪市で発生した2つの事件だ。2010年の事件では、置き去りにされた幼児2名が餓死した。2013年の事件では、若い母親と幼児が遺体で発見された。現場には、「子どもにお腹いっぱい食べさせたかった」という内容の母親のメモが残されていた。

「子ども食堂」活動については、CPAOは早期に取り組んでいた団体の1つだ。2014年には大阪府高槻市と生野区で「CPAOしょくどう」活動を行っていた。その活動を通じて発見されたのは、欠食だけではなく数多くの困難を抱えた子どもたちが、地域で制度の「セーフティネット」の網の目からこぼれ落ちたまま放置されている現状だった。

 厳しい状況にある子どもたちは、善意や思いやりで支援できる状況にはなく、民間や地域の救いの手も届きにくい。そこで2015年夏以後のCPAOは、子どもたち1人ずつに対する個別性の高い支援を中心に、活動を行ってきている。「子ども食堂」は、イベント的に時々開催されてきたが、中心は会員制で週3回の「ごはん会」だった。

「いくの子ども食堂」は、CPAOの子ども食堂活動の再開とも言える。なぜ、再開したのか。動機を代表の徳丸ゆき子さんに聞いた。

「しんどい状況の子どもたち1人ひとりに対して、個別に支援してきましたし、今後もその活動を中心にする方針は変わりません。でも、さらにしんどい状況に置かれている子どもたちとつながるには、数多くの機関との連携が必要です。簡単ではありませんが、数多くの団体と協力すれば、できるかもしれないと思います」