中国習近平主席Photo:Reuters

――筆者のロンディ・アダムソン氏はカナダ在住のライター

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 あなたが語学を学ぶ大学教授が洗練されたファッションの仕上げに日替わりで小粋なスカーフを巻いていたら、イタリアの大学に通っていると実感するだろう。また、ほぼ全員の教授がどこかの時点で、大抵は恨みがましい口調で次のように語るならば、ここはイタリアの大学だと思い知るだろう。第2次世界大戦後に「マーシャルプラン」(米国の推進した欧州復興支援計画)の資金がイタリアの中道右派、キリスト教民主を支えるのに使われ、そのために彼らが何十年も権力の座に居座り、同国に左派政権が誕生するのを妨げたというのだ。

 筆者はここ数年、同国中部ペルージャにある大学でイタリア語を勉強している。時には1カ月滞在し、時にはもっと長いこともある。それは楽しくもあり屈辱的な経験でもある。同じクラスには他にも40代を過ぎた学生や欧州の年金生活者が少しはいるが、多くの在校生は外国留学プログラムで派遣された中国人の大学生たちだ。筆者が2月に受講していた上級レベルのクラスメートはおよそ70%が中国人だった。筆者の指導教官の一人はこれを「中国の侵略」と呼んだ。イタリア人はポリティカル・コレクトネス(政治的・社会的に差別や偏見がないこと)をめったに気にかけない。

 大学側はこうした学生を頼みとしている。彼らの多くは中国・イタリア学術交流プログラム「マルコ・ポーロ」の一環でイタリアを訪れる。一方で、イタリアはインフラ投資を必要としている。先進7カ国(G7)の中で中国の広域経済圏構想「一帯一路」に参加する最初の国となったのもイタリアだ。この構想はある意味、マルコ・ポーロの逆を行く取り組みだといえる。