2月に開催された核問題を巡る米朝首脳会談で、ほとんど成果が得られなかった北朝鮮。金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は、制裁と経済的孤立からの緩和に向けた道筋を探る中、ここにきて「旧友」ロシアに接近している。ロシア政府の報道官は3月初旬、ウラジーミル・プーチン大統領と正恩氏による初の首脳会談の準備が行われていると発表。日程と場所は検討中だとしている。韓国の情報機関当局者によると、シンガポールとベトナム・ハノイで行われた2度の米朝首脳会談に先立ち現地で調整に当たった正恩氏の腹心は、3月にモスクワを訪問した。会談場所がモスクワとなる可能性を示唆している。プーチン氏との会談を実現することで、正恩氏は、対北朝鮮制裁を管轄する国連安保理の常任理事国であるロシアに支援を求めることが可能になる。制裁緩和に向けプーチン氏に支援を求めるとともに、後ろ盾である中国との関係が冷え込んだ場合に備えた外交上の「プランB」を構築する上で、露朝首脳会談は正恩氏にその舞台を提供する。