従来通りの受託開発をして成果物を納品する仕組みでは、大きな会社が大型案件を握り、小さな会社は下請けに甘んじるしかない。しかし、顧客の本当のニーズは納品した商品が動き始めてからにあると考え、同社では「月額定額」「顧問型」「成果契約」というスタイルで受注開発を行うことにした。

 月額定額なら、案件ごとの見積もり不要で負担が減るなどメリットがある一方、満足してもらえなければ解約されてしまうプレッシャーも。だからこそ、継続的にサービスを改善することに注力し、顧客の満足度を高めることができる。また、定額契約にしたことで、顧客とエンジニアが直接話をできるようになり、「営業」もいらなくなるメリットをもたらした。

 こうした独創的なビジネスモデルによって、社員が生産的に働けて、自律的になり、さらに独創的な仕事に取り組める良い循環ができているという。

「よく『御社は社員が優秀な人ばかりだからできるんですよね、うちの会社は管理されないと働けない人が多いんですよ』と言われることがあります。でも、それって今まで管理されてしか仕事をしてこなかったから、できないだけ。どんな人でもこのプロセスを踏めば、生産的に管理なく働けると思っています」(倉貫社長)

 今回紹介した「管理ゼロ」の仕組みは、ソニックガーデンが大事にしている「遊ぶように働く」というコンセプトと会社の成果を両立するために生まれたものでもある。そのため、「社員数が増えれば、(会社の仕組みの)正解は違うものになる」と倉貫社長が語るように、世の中の流れや人の成長に合わせて、組織の仕組みや制度は変わっていくべきだろう。

「社員が遊ぶように働くこと」と「会社の成果」を両立させるために、同社の働き方や「管理ゼロ」の状態はどうなっていくのか、これからの変化にも注目だ。

(ダイヤモンド編集部 林 恭子)