日本はといえば、バブルが崩壊し、失われた10年、20年という時代を経験し、少子高齢化は深刻化し、債務は蓄積し、低成長が続いた。

「令和」の時代はどうだろう。どう展望すべきか。

 おそらく民主主義国ではポピュリズムが消え去ることはないだろう。よほどの危機がない限り、自国優先主義や排他的なナショナリズムが世界を覆うのかもしれない。

 一方、新興国の多くは専制的な政治体制のもとで、成長を加速していく。

 特に注目しなければならないのは、今から30年先の令和30年は中華人民共和国建国100周年で、習近平国家主席の掲げる「社会主義現代化強国」として飛躍する「中国の夢」の到達点であることだ。

 一方で、これまで世界の覇権を握ってきた米国は、仮にGDP(国内総生産)で中国に追い越されることがあっても、依然、超大国として存在し続けるだろう。

「令和」の時代の世界は、米中の対立で分断されていくこととなるのか。

カギを握る「2つの要因」
米国の「自国第一」と中国の対外膨張

 中長期的にその鍵を握るのは2つの要因だ。

 第1には米国で「トランプ的」統治が続くのかどうかだ。

 トランプ大統領は仮に再選されたとしても、任期はあと6年だが、その後、米国社会の厳しい分断の中で、トランプ氏のような既成の政治勢力とは袂を分かつ大統領が続くのか。その可能性は大いにある。

 そうなれば、米国社会の分断はトランプ氏が原因ではなく、社会の分断の結果が今日の米国をもたらしたということか。その場合、「米国第一」の外交は続き、米国の国際社会における指導力は急速に失われていくだろう。

 もう一つの大きな要因は中国が今後も順調に成長を続け、国際舞台での影響力を増し続けるかどうかだ。

 成長率が徐々に低下していくことは明らかだとしても、共産党が差配する「上からのイノベーション」で米国に匹敵するような経済力と軍事力を持ち、そして豊富な資金に裏打ちされて、グローバルな影響力が増大していくのか。

 あるいは、近年、締め付けが厳しくなった共産党体制が経済成長の鈍化と共に崩れていくのか。

 共産党の体制は崩れなくとも、経済運営を巡り権力闘争が表面化していくことは容易に想像できるし、一方でそうした国内の不安定が対外的膨張につながるおそれもある。

 トランプ的なものが米国を支配し、中国が共産党支配を強め対外的に攻勢を強めていけば、結果的な米中対立は抜き差しならない局面に達するのだろう。

 すでに米中関係はその方向に動き始めているように見える。