ゴラン高原について、イスラエルの主権を公式に認める文書に署名したトランプ大統領
3月25日、シリア南西部のゴラン高原について、イスラエルの主権を公式に認める文書に署名したトランプ大統領 写真:ユニフォトプレス

 1947年3月、トルーマン米大統領が共産勢力の封じ込めを図る「トルーマン・ドクトリン」を宣言して以後、1989年11月にベルリンの壁が撤去されるまで、東西の「冷戦」の時代が42年間、続いた。

 その時代に成長し、その間、防衛・安全保障問題を注視し続けてきた私には、新元号の「令和」は、つい「冷和」(冷たい平和)を思わせる。

 世界の情勢は、東西両陣営が全面核戦争の危険をはらんで対立した「冷たい戦争」の時代とは違い、各国の利害関係は複雑化し、自国第一主義が公然と唱えられ、各国内でも民族対立が表面化してきた。

 冷戦期と違い人類の滅亡を招くような大戦争に至る兆候はないが、対立と反目は頻発し「冷たい平和」の時代に入りそうな気配だ。

ゴラン高原の主権を認めた
“国連無視”の親イスラエル政策

 3月25日、トランプ米大統領がシリア南西部のゴラン高原について、イスラエルの主権を公式に認める文書に署名したのは、その顕著な例として世界史に残るだろう。