特別交付税減額は
「後出しじゃんけん」のルール変更

 その意味でも、どうしても解せないのは、総務省が3月22日ふるさと納税の収入が多い泉佐野市など、4自治体に対する特別交付金を減額したことだ。

 自治体の財政格差を調整する地方交付税は、普通交付税(96%)と特別交付税(4%)からなるが、特別交付税は、12月と3月の年2回、自然災害などの被害があった自治体に交付される。

 その算定のためのルールは、総務省省令で決められているが、総務省は、省令を改正し、特別交付税は、ふるさと納税の寄付金の見込み額から一定の経費を引いた額を地方税収に加えた形で算定するとした。

 その結果、泉佐野市のほか、静岡県小山町、和歌山県高野町、佐賀県みやき町の4つの自治体は、前年同期に比べて、それぞれ特別交付税が、1億9500万円、7400万円、2億3300万円、2億900万円、減額された。

 石田真敏総務相は、「財源配分の均衡を図る観点から行ったもので、過度な返礼品などを贈る自治体へのペナルティーという趣旨ではない」と説明しているが、これは典型的な詭弁だ。

 この措置の最大の問題点は、事後のルール変更、つまり、寄付金を多く集めた自治体を狙って、本来なら交付税の算定とは関係のなかった寄付金を後から算定の根拠にいれた、いわば「後出しじゃんけん」ということだ。

 自治体には事前に何の連絡もなく、発表当日に減額を知らされたという。

 4自治体としても、減額は不本意だろうが、泣く子と地頭には勝てないので泣き寝入りになるだろう。

 権力を振り回し既得権益を手放そうとしない総務官僚の「狭量」と、ふるさと納税への抵抗がいまだ根強いことを浮き彫りにしたものだ。

(嘉悦大学教授 高橋洋一)