米国と中国がテクノロジーの覇権争いを繰り広げる中、かつて携帯電話のパイオニアとして圧倒的シェアを誇ったフィンランドのノキアは、米中両国への「二股路線」で活路を見出そうとしている。一度は表舞台からほぼ姿を消したノキアだが、世界的な通信機器メーカーとして生まれ変わった。携帯用アンテナやインターネットルーター、次世代通信規格「5G」向けの新たな部品などを製造し、今や中国の華為技術(ファーウェイ)に次ぐ、業界世界2位の座にある。米政府は中国当局が通信を妨害または傍受する目的で利用する可能性があるとの懸念から、ファーウェイ製品の米国内での販売をほぼ禁止し、英国やドイツ、日本など同盟国にも同じ措置を講じるよう求めている。