市の再調査委員会は市教委幹部らによるメモの隠ぺい工作についても「遺族や周囲の心ある生徒たちの思いが非常に軽く扱われた」と厳しく指弾した。
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2016年に神戸市立中学3年の女子生徒(当時14)が自殺した問題を巡り、市の再調査委員会は16日、いじめが自殺の原因だったとする報告書を久元喜造市長に提出した。市教育委員会が設置した第三者委員会は「いじめと自殺との因果関係は不明」としていたが、再調査委は「中1から中3までのいじめが大きく寄与」と明白に因果関係を認め、さらに市教委幹部らによるメモの隠ぺい工作についても「遺族や周囲の心ある生徒たちの思いが非常に軽く扱われた」と厳しく指弾した。(事件ジャーナリスト 戸田一法)

同級生らのメモ存在を隠ぺい

 女子生徒は16年10月6日、同市垂水区の深さ1~2センチの川で倒れているのが見つかった。高さ5メートルにある橋の欄干に切れたロープがあり、橋に置かれていたリックサックに遺書が残されていた。

 再調査委の報告書などによると、いじめは女子生徒が1年のときにはじまり、インターネット投稿した動画を「盗作」と中傷されたことなどが始まりとされる。さらに2年では同級生から陰口や無視、からかうなどの行為があり、クラスで孤立した。

 3年では廊下で足を引っ掛けられたり、わざとぶつかられたり、体育関連行事で大縄跳びの練習を休んだことで非難されたりもしたという。

 こうした同級生らの行為をいじめと認定し「学校内で完全に孤立し、中3では居場所がなくなったと感じ、自傷行為もするようになった」「誰に相談しても無意味という絶望感を抱いていた」として、自殺に至ったと結論付けた。

 ほかにも報告書は「教師は誰もいじめと認識せず、人間関係のトラブルととらえた」「女子生徒の異変に気付いた生徒もいたが教師に相談しなかった」「メモの隠ぺいについて女子生徒の遺族や同級生ら、保護者は(教育委員会に)強い不信感を持った」と指摘した。