「顧客の意向把握や(代理店の)比較推奨を歪めることがないようにすることが必要」と、金融庁はこれまで口を酸っぱくして説いてきた。だが、一部の生保にはその声が全く届いていないようだ。

「民民契約」という大きな壁

 金融庁は今回、短期間のうちに繰り返し取り組みの進捗をたずねることで、見直しに向けた圧力を強めたい考えだ。

 一方で足元では、相変わらず特定商品のキャンペーンを彷彿とさせる営業資料を代理店に配布したり、研修と称した沖縄旅行を代理店向けに企画したりといった抜け駆け行為が、外資系生保をはじめとして次々に露見しており収まる気配はない。

 ではなぜ、生保はそこまであからさまに金融庁に背を向けることができるのか。それは手数料やインセンティブといった取引自体が、保険会社と代理店という民間企業同士の契約に基づく事業活動であり、行政が介入できる余地が少ないということを熟知しているからだ。

 「そうこうしているうちに、手数料やインセンティブの消耗戦に陥ってしまうことを、本当に生保は望んでいるんでしょうかね」

 金融庁の幹部はそう言ってため息をつくが、一部の生保の視線の先では今なお、目の前の新契約がギラギラと光り輝いている。