芸能人による薬物犯罪が絶えない写真はイメージです Photo:PIXTA

新しい元号「令和」が発表された後、芸能界ではミュージシャンで俳優のピエール瀧(本名・瀧正則)被告の起訴、保釈が大きなニュースになった。芸能人は「イメージ」が商品であるため、同被告の逮捕後、コンサートの中止や映画やドラマの出演作品の扱いなどがワイドショーをにぎわせた。これまでも酒井法子さんやASKAさん、清原和博さんら著名人も薬物を巡る事件で摘発された。芸能界を巡る平成の「薬物事件」を振り返る。(事件ジャーナリスト 戸田一法)

深刻な芸能人の薬物汚染

 瀧被告は3月12日、コカインを摂取したとして麻薬取締法違反(施用)の疑いで関東信越厚生局麻薬取締部(通称・マトリ)に逮捕された。

 同日午後6時すぎ、マトリは自宅や車の家宅捜索とともに、任意同行し調べたところ陽性反応が出たという。容疑は「間違いありません」と認めたとされる。自宅からは吸引時に使用したとみられる細く丸められた韓国紙幣が見つかり、ストローのようにして鼻から吸引したとみられる。瀧被告は「20代のころから使用していた」と供述しているらしい。

 逮捕後、所属するバンド「電気グルーヴ」のロックフェスティバルへの出演が中止になり、出身地・静岡県のテレビ局の冠番組も打ち切りに。NHK大河ドラマ「いだてん」は代役が立てられたが、映画「麻雀放浪記2020」は今月5日から予定通り公開された。

 東京地検は2日、同法違反の罪で起訴。4日、保釈が認められ、勾留先の警視庁東京湾岸署の正面玄関前に黒いスーツ姿で現れ「反社会的行為で迷惑と心配を掛けた。誠に申し訳ない」と謝罪した。

 平成の期間で大きなニュースになったのは、いずれも覚せい剤取締法違反の罪で有罪判決を受けた女優の酒井法子さん、歌手ASKAさん、元プロ野球選手でタレントの清原和博さんらだろう。