「フォーミュラカーとしては珍しい選択ですが、なぜ18インチなのかといえば市販車に多く採用されているサイズだからです。基本的には市販車用の『PILOT SPORT4』と似た構造やパターンとなっており、1種類でドライとウェットの両方に対応します」

香港駅近くの中心街を閉鎖した市街地コース香港駅近くの中心街を閉鎖した市街地コース。道幅が狭く、追い抜きが難しいため、マシン同士がぶつかるシーンも多く見られる。

 全戦が市街地コースという特性からスリックタイヤは使われない。したがってドライもウェットもインターミディエイトもなく、レースごとに各マシン1スペック/2セットが用意されるのみ。これによって開発はもちろんロジスティックの面も含めてコスト低減や環境付加を大きく下げることができたという。

「こうしたストリートサーキットでは、タイヤへの入力が大きく、またリアタイヤはブレーキ回生も行っておりエネルギー効率の改善など技術的なチャレンジも多くあります。低温から高温まで路面温度に対するワーキングレンジも幅広くとっており、ここで得た技術をそのままダイレクトに市販車用のタイヤに反映していきます」。

 まさに実験の現場として次世代のPILOT SPORT5や6が、ここから生まれてくることになるのだろう。

 実際に目の当たりにしたフォーミュラEが走る姿への第一印象は、「大きなラジコンだ」というものだった。シュリュリュリュリューとモーターとインバーターの音と風切り音しか聞こえない。タイヤのスキール音すらほとんどない。市街地サーキットゆえ道幅が狭く接触が多いのもこのレースの特徴だ。ゴツッとカーボンの車体同士がぶつかる鈍い音が妙に生々しくて、少しひいてしまった。