さて、雪国に春の到来を告げる山菜として知られ、3月末から4月にかけて天ぷら専門店やそば屋で「山菜天ぷら」として登場する人気のフキノトウだが、実は雪国の方々にとっては山菜ではなく「雑草」扱いだ。

 というのは、雪解けの地面から田んぼのあぜ道や河川敷、一般住宅の庭にも当たり前に生えているからだ。雪国出身の筆者も数十年前、スーパーでプラスチックケース入りの「5個入り300円」を見て驚いた記憶がある。

 とはいえ、食べるとおいしいので、天ぷらのほかにも刻んで砂糖やみそと和えるバッケみそ(秋田などではフキノトウをバッケと呼ぶ)は、ご飯やお酒と相性がいい。食材としてはポピュラーだった。

 そして、フキノトウと同じ早春の味覚として、天ぷらなどで供されるのがギョウジャニンニクだ。古来、厳しい修行をした行者が活力源とした食材だが、かなり山深く入らないと採取できず、期間も短い。

 どちらもおいしいのだが、早春の味覚2種は採取に要する労力がかなり違うので、貧乏性の筆者はギョウジャニンニクをかみ締めるように味わってしまう。

GWは山菜の最盛期

 この季節の山菜といえば、やはりワラビとタラの芽、コゴミだろう。

 ワラビはフキノトウほどどこにでも生えてはいないが、少しだけ山に入れば、それほど苦労なく見つけられる。灰汁が強く、塩を大量に入れた熱湯などで灰汁抜きする必要があるが、おひたしのほか、みそ汁、煮物、炒め物の具材として調理方法はさまざま。粘りのある独特の食感が好きという方も多い。

 雪国出身の友人がいるなら、ハイキングがてらワラビ採りに連れて行ってもらうようお願いしてみてはいかがだろう。山によっては小学生ぐらいでも立ち入れる場所に生えているので、自分の手で採取できれば、きっと貴重な経験になるはずだ。

 天ぷらにすれば最高に美味なタラの芽はギョウジャニンニクと同様、少し山奥に入る必要があるので、慣れない方が採取するのは難しい。タラの木の新芽で、とげがあるので見つけても採取するのはなかなかやっかいだ。

 最近は栽培物もあるが、やはり天然物は「山菜の王様」。明らかに食感や風味が違う。山菜好きの方で、もしGWにドライブで道の駅などで売っているのを見掛けたら、迷わず購入することをお勧めする。